社長の死を悼む

 今日、故○○社長の葬儀が執め行われるにあたり、我々〇○社従業員-同は、ここに故社長の霊前に集まり。心から敬慕の念と哀悼の誠を捧げます。
 あの頑健を誇られたエネルギッシュな社長を思い出寸時、にわかに他界をされたとといつことは、まつたく一同信じられない気持でおります。床に臥せってぉられたとはいえ、かりそめの病気と思つていたのですが、訃報に接しその驚きと悲しみは筆舌
に尽くし難いものがあります。
 かえりみれば、ありし日の社長は、私達にとって社長とぃぅばかりではなく、父のような存在でありLました.それも慈父と呼ぶにふさわしく、心の広いいつくしみでもつて社員に接せられた父のような存在でありました.叱られたことも度々ありましたがその後には必ず労いの言葉を忘れなかつた社長、ほのぼのとした、心通らものを感じたものです。常々社長がいつておられた、社員は家族同然という、そのお考ぇが反映し、まったく我が社は水入らずの親子のような団結を誇り、今や業界でも五っの指の一っに数えられるようになりました.これは社長の素晴らしい指導力と熱意、そして社員ヘの思いやりが、この結果を招いたものと信じます。三年前に不注意から怪我をし、一週間ばかり入院をしていたことがありますが、その時にわざわざ社長自らお見舞いにおこしを覇りたことは、私にとって当時驚きであると共に感激でありました.私の不注意に にもかかわらず「早く良くなれと励ましていただいたその言葉が、今も耳に残っております。豪胆な反面、非常に細かいところまで心を配られた社長の-面をみて、社長のためには一身上を投げうつて社業に精進しなければならないと心ひそかに誓ったものです.
 私はもちろん、ここに集まつている社員-同、悲痛、傷心の中にありますが、社長のご遺志を生かし仕事は決して忘れず、なお精進することを霊前でお誓いいたします。
 どうか社長、冥界から我々を暖かく見守つて下さいますよう.我々もなお一層の社業発展に、頑張りたいと思います。安らかに‐永遠-の眠りにつかれんことを心から祈り弔辞と致します。
 

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