僧侶になるためには


 僧侶になりたいと希望する者は.まず菩提寺の住職なり自分が尊敬する僧を頼って弟子入りすることが先決である。それが許可されたら、得度という師僧から度牒を受け、その寺が宗派に属しているなら、僧籍の登録をして公認されるのである。ただ度牒を受けたからといって、すぐに僧侶の活動ができるわけではない。師僧のもとで勉強するか、宗門大学などで研修するとか、加行を行つて自己研讃につとめ、はじめて一人前の僧侶となれるのである。近世は寺院住職の子弟が僧侶となり、世襲のような形をとつているが、外見上世襲と見えていても親が師僧となり、子が弟子入りするということには変わりない。
 尼僧になる場合も男性と同じ過程を踏むが、女性は原則として仏門に入ってからは家庭を持つことは許されていない。古くは有髪も禁じられていた。しかし現在では有髪や家庭をもつことを認めているところもある。