寺院について

 寺院とはそこに居住する僧が、自分の研修や布教のための修行場、儀式場として用いる建物を意味している。
 最近ではそれに附帯して養老院、幼稚園、保育園、学校などが設けられ経営管理しているところもある。かつて原始仏教時代には僧の伽藍といぅところからサンガラーマと呼ばれ、これが現在、伽藍と呼ぱれるようになった。
 寺とは、中国の漢の時代に外国の主賓を泊める官庁をさし、それがしだいに僧侶の住居というようになったものである。院とは回廊や垣根をめぐらした園という意味で、のちには寺を総合とし、院を寺中の別舎とし、これらを総称して寺院と呼ぷようになったものである。
 寺には山号がついているが、そもそも中国では寺院が山のなかに建てられたことに由来している。その所在地の山の名前がつけられたわけで、そののち平地に建てられた寺院でも山号をつけるようになった。 一つの寺院で山号、院号、寺号をもつところがある。たとえぱ金竜山伝法院浅草寺というぐあいである。お寺は活動目的によってΞつに大別することができる. 一つは菩提寺、 一つは祈願寺、 一つほ修行寺である。これらの活動目的をすぺて有している寺院と、 一部のみを有している寺院とがある。菩提寺とは、檀家を持ち葬儀や法事を行い、墓地なども有してそれを管理する寺院である。日本の仏教が葬式仏教といわれるのも、葬祭を中心として活動する寺院が圧倒的なためであるo祈願寺とは商売繁盛、病気回復、交通安全など現世利益を授ける寺院で、天台、真言系、特に密教系寺院に多い。修行寺とは自己研俸の道場で、 一般俗人の出入りをあまり許さず、公開しないのを原則としている。