遺体の取り扱い


 一握の望みを託してぃたにもかかわらず、臨終と聞かされた時の悲しみは、肉親はもちろん関係者にとって耐え嫌いものがある.しかし悲しんでばかりいてはことは進またい.そこでまず親族として第一にしなけれぱならないことは遺体の取り扱いである。
 遺体はまず北枕にし、新しい薄団に取りかえて顔には白布をかけ、両手を胸で合掌させ、お悔やみの人がいつ来てもみだれたところを見せないよぅにする。この北枕にするということは釈尊入減の時の頭北面西の姿である。魔除けとし、剃刀か、小刀を胸のあたりに置く.刃は顔と反対側に向ける.枕許の屏風はさかさまに立て、小机を置き、その上に一輪ざし、燭台、香炉、水、仏前飯(茶碗にご飯を盛りはしを垂直に立てる】枕だんごを供える.線香とローソクは-本ずつで、納棺まで絶やさないように気をつける。うつかりすると灯明や線香が絶えてしまぅことが多いので、近年巻線香や水燈籠を使う場合が多い。