葬儀の形式と日どり


 葬儀の形式は、宗教上のことであるから微妙であり慎重を要する。
 葬儀といえば、仏式という概念があるが、神式、キリスト教式、無宗教等々あって、その選定は故人やその一家の信仰から、よく考えて決定すべきである.また仏式といっても、宗派などの区別があり、宗派が違うと祭壇からお経のあげ方、すペて作法が異なろので、この点にも留意しなければならない.菩提寺すなわち願い寺が遠い場合は、葬儀社に依頼すれば.同宗派の償侶を紹介してくれる。日どりのきめ方は、まず友引を避けるという習慣があるので、留意するベきである. 一般には亡くなつた日の夜を内通夜、翌日の夜を通夜とし、さらに翌日からΞ日以内くらいの日を選んで、葬儀、告別式を行う.遠方からの親族の到着を待つ場合とか、友引の関係から、 一日か二日ずらすこともある.死後二十四時間たたなければ、法律によって.火葬にで,きないので、亡くたつたその日に葬式を出すことは絶対にありえない.年始の時は三か日を過ぎてからすればよい。友引をなぜ避けるかというと、江戸時代からの陰陽道の普及にともなって一般化した六輝、すなわち先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤ロの中で、大安は縁起が良く.仏滅は縁起が悪いといった吉凶を占うことからきたものである.大安が吉日であり、仏滅が凶日であるとする考え方は一面で俗信といえないこともない.なぜならば万人にとって大安がすぺて良い日だとは限らないからである。しかし普通化されたこの種の習俗というものは避けがたいもので、ことさらこれに逆らうことはない。友引といらのも、もともと相引で勝負なしということで、朝晩が吉で昼は凶といらことだったのが、友引占いう文字から友を引くと拡大解釈し、この日に葬儀を出すと死者が他人を引っぱっていくという考えが生まれた。そのために他人が避けるため、友引に葬儀を行わないのが無難と考えたのである。実際問題として、火葬場が開いてない場合が多く、僧侶や葬儀社もこの日を休日にあて、他の用事に転用している場合が多いため、避ける方がいい。