予算


 葬儀は相当お金がかかるものである。葬儀の規模にはまさにピンからキリまであるが、その決め方は、故人の社会的立場などをよく考慮して親族間で決めるのがふさわしい。
 会葬御礼の品ひとつをとってみても、無駄のないようにしたいものである。会葬者の人数を何人と予測するかは、まことにむずかしいものだが、足りなければ格好がつかない。だからその品物は、あまった場合は引き取りが可能なものにすぺきである。
 故人や世間に対する配慮から、無理な金をかける人がいるが、その気持はわかるにしてものちのち苦しむようなことはさけたい。金をあまりかけないことが、故人を粗末にしたことには直接つながらない。金をかけることが故人ヘのたむけとはいい切れないのである。要は喪主や親族、関係者の心の問題である。だから葬儀社との率直な相談が必要で、決して見栄をはることはない。葬儀の前後には現金を必要とすることが多いので、その用意も肝心である。早めに銀行で新 
札を用意するのもひとつの心くばりである。葬儀の時に使い古した札を使うのはあまり好ましいことではない。