告別式と葬儀


 元来告別式と葬儀は違うものであるが、いまでは葬儀からそのまま告別式に移る場合が多いようである。葬儀はまず僧侶の読経にはじまり、宗派によって死者に引導が渡される。次に弔辞が読まれ、再ぴ読経が行われる。焼香もこの時から始まる。
 告別式はいまでは約一時間である。終わると棺のふたをずらして、遺族、近親者との最後の対面となる。仏前にそなえられた供華を一輪ずつ入れて、遺体を花で飾るところもある。次に出棺である。遺族、近親者の中で、カのあるものがもちあげ霊柩車に運ぶ.喪主は故人の位牌をもち、次の人が写真をもってつづく.香盆、骨箱、だんご飯、燭台を分けてもって続くのが本来の形であるが、現在では位牌と写其とか、何ももたないとかさまざまである。
 霊柩車につづく順は、故人との血の濃い順につづく。むかしの野辺送りのかわりである。火葬場ヘ行く人たちの人選については、あらかじめ決めておかないと混乱する。特に火葬場が遠い場合、車の台数がたりなくても困るし、多過ぎても困るものである。
故人の近親者が自家用車で関係者を火葬場へ運ぶ場合もあるが、なるべくこれは避けたいものである。費用の軽減にはつながるが、心が動転している時でもあるので、うっかりすると交通事故を起こしやすい。