喪主の決定と相談相手


 一家に死者が出るということは、想像以上の混乱と繁雑さを招くものである。特にそれが一家の主人であつた場合、中心的存在を失ったいま、遺族はどう'して良いかわからないくらいうろたえるものである。
 そこでまず、良き相談相手を選ふことである。年長者で経験があり、公平な立場で物事を決められる人で、関係者に対して発言力をもっていれぱ鬼に金棒である。喪主は配偶者か近い血縁者から選ぶ。むかしは家族制度の関係から、 一家の主人が死亡した場合、長男が当然のように喪主になっていたが、いまでは妻がなる場合もある。葬儀の規模か大きい場合は、喪主以外に葬儀委員長を決めることが必要になってる。葬儀委員長は名儀上だけの場合と実質的にすべてを一任する場合とがあるが、なんといっても真の当事者は喪主である。その点、よく意思の疎通をはかるぺきである。相談相手とともに必要なのは世話方である。当日の采配をはじめとして、事務的な役割を担当してもらう人である。人の出入りが多くなるから、依頼するなら役割を明確にしてまかせるとともに、訪間客と面識のある人がよい。