座禅の時間について


 これにも諸説があるが、初心者は十五分ぐらい、馴れるにしたがって三十分でも苦痛でない。行道から始まって出堂するまで、三十分ぐらいが望ましい時間である。
 座禅終了は鳴り物で合図されるが、それが鳴ってもすぐ立ち上がらないようにする。
 時間のはかり方ほ、三十分と決めても時計を見るようでは心が落ちつかない。そのため道場には時計を持ち込まないようにする。例えは一人で座禅をする時に、長い線香を一本立てておく。線香の燃える時間を想定してはかっておき、線香が燃えつきた時終わるようにすれば良い。
 終了の合図があれば、まず目の前で合掌する。目は閉じたままである。次に合掌した手をそのまま熱くなるまで摺り合わせる。熱くなった両手を閉じた両眼に当てる、次にまた手を摺り合わす。もう一度両眼にあて、二度目にあてた時に掌を開いてその中で日を静かに開ける。次に再び手を摺り合わせ、熱くなった右手で、左側の首すじにあてる。次に手を摺り合わせ左手で右の首すじにあてる。それが終わったら再び両手を摺り合わせ、足を静かに伸ばしかたくなった足をさする。そして教導師の合図で静かに立ち再び三礼をする.
 朝夕の禅の場合には、このあと法楽といって般若心経などお経を唱え、仏に感謝の意を表する。そして入道の時と同じく無言のまま手を前に組み、お堂を出て行道の時集まった場所まで戻り、整列をして終わるのである。