食堂


 仏教では食堂(じきどう)と呼ぶ‐食堂とは七堂伽藍のことである。すなわち大きな寺院にぁって本山的形態を成しているもので、塔,金堂、講堂、鐘楼、経蔵,僧坊、食堂が備えられる.この構成の仕方は時代や宗派によつていささか異なるが.時には山門、仏殿、庫裡、浴室、塔をもって七堂伽藍と称する場合もある.現在では、食堂と書けぱ食事をする所と解釈しているが、寺にぉける食堂は食事の場だけではない一つの修行の場である.仏教では斉食儀という作法によって食事をするにも厳密な規定があつたわけで、茶道の作法もこれから取り入れられたものが数多ぃといわれる。
 一切の言葉が禁じられ、食器のふれ合う音、汁を吸う音、物を噛む音さえ禁じられてぃる。このように仏教では食事をすることも修行の一つではあるが、それが転じて食事をする部屋、食事をする店などを食堂と呼ぶようになった。