講という言葉は講師、講堂、講式、無尽講、講釈師というように多くのところで使われる。講とは元来言を調和するという意味で、これによって種々の問題を解決するところから難しいことを説き明かす意味に使われた。また講には学ぶ、習うという本来の意味があり、そのために仁王講、法華八講など、仏典の研究をしたりする催しをこのように呼ぶ。
 教義問題で論議する法会の中で、間者の質問を受けて解釈し答える人を講師といい、その座では一段と高い座に座る。講釈師というのもここから出たわけで、現在の講釈師、落語家が舞台に上がるというのもこれが起源である。近代の大学では講師が一つの職名ともなっている。