縁起


 日常、縁起という言葉は良く便われる。縁起をかつぐ、縁起が良い、悪いなど当たり前のように使っているがこれは仏教の重要な言葉である。寺院や仏教の由来を説くことを縁起というが、本来は縁をまって起こるという意味である。仏教では因果の関係を説くが、それに加えて、この縁の働きを説くわけである。一粒の糧から芽が出て花を咲かせるにも、これには土壌、日光、肥料、雨露などが作用している。この緑の作用がなければ、 一粒の種も花を咲かせることができず、その花がまた種となり、花となるように、これは、因が縁となり果となり、果が因となるわけで、このようなことを縁起という。