釈迦牟尼仏
 
 
 仏教の開祖で、いまから二千五百八十年ほど前、西暦紀元五六五年にインドのか迦毘羅城主の
皇太子として生まれられた.
 母は摩耶夫人で、四月八日ルソピニ園の樹の下で誕生されたとき、生まれながらにして七歩を歩まれ、
「天上天下唯我独尊」といわれたと伝えられている.生後七日にして母を失い、その後は伯母に育てられ
たが、幼名をゴータマといい、悉達多大子ともいった。
 釈迦というのは元来民族の名前で、釈迦族という豪族がその当時、迦毘羅城という一国を支配してい
た。釈迦牟尼仏の牟尼というのは静かな悟りの境地に達した聖者という意味である。鹿野苑で五人の比
丘に説法したが、これを初転法輪いう。その後阿闍世王などの帰依を得て、祇園精舎をはじめ竹林精舎の
たくさんの寺を建立され、四十五年間インド各地を説法して歩かれた。
 紀元前四八六年二月十五日、クシナガラ市郊外のパグイ河のほとり娑羅双樹の樹の下で入減されたが、
これを釈迦の入涅槃と呼ぶ入滅されたあと弟子たちが集まりて在世中教わったものを集め、記録したのが
お経である。
 その後その教典を根本聖典とし、多くの高僧たちが釈迦の精神をくんでひろめられた。それがインド、中国、
南方アジア、日本などに広範囲に渡って、大影響を及ぼし、現在に到るのである.