阿弥陀如来

 阿弥陀如来信仰はひろく、いまでも盛んである。特に極楽浄土の思想によるところが大で、
阿弥陀仏を信ずるもの必ず極楽浄土に往生できるとされている。
 ふつう人間が来世において果報を得るためには、現世において篤行をつみ、その結果として
極楽往生すると説くのであるが、阿弥陀如来信仰においては、念仏の功徳、すなわち「南無阿
弥陀仏」をとなえ一心に念ずることによって、他力によって往生できると説いているのである。
 無量寿経に説かれるところでは、四十八の誓願を成就した法蔵比丘が長い時を経て阿弥陀仏
となり、理想世界である西方極楽浄土をたてられる。それは現在もそこにあって説法教化して
おられると説く。阿弥陀信仰によれば、死者を迎えるにあたってはその人の信仰の度合いによ
って九通りの迎え方があるとされ、生前に信仰厚く、念仏をよくとなえたものは最高の迎え方
をしてくれるというのである。
 空也上人、一遍上人が念仏の功徳をひろくひろめたところから、この念仏の信仰者が急速に
増加したといわれている.